台湾の人から『阿振麵茶』というものをいただいた。
小袋の中に粉末が入っているようだ。

「これは麺でしょうか、お茶でしょうか?」

私は台湾の人に尋ねた。

「麺でもお茶でもありません」

とのことであった。

 

阿振麵茶の調理方法

個包装の裏面に食べ方が書いてある。

【沖泡方法】
注入約150~200cc之沸水, 快速撹拌呈糊状, 再依個人喜好調整濃度。

150〜200ccのお湯を注ぎ、糊状を呈するまで撹拌し(快速に)、お好きな濃度になるよう調整してください。
というくらいだろうか。

開封

見た目としては、きなこに似た粉末である。
黄色っぽく、きなこよりは若干しっとりしている。

匂いもきなこのようだ。
強い主張は何もない。
優しくていい匂いがする。

注入約150~200cc之沸水, 快速撹拌呈糊状

160cc程度の水を沸騰させて、カップに注ぐ。
このときマグカップなど少し大きめの器を使うのがオススメである。
そしてスプーンでかき混ぜる(快速に)。

ものすごくダマになるので、頑張ってかき混ぜよう。
スプーンにかなりの量がへばりついてくるので、もう一本スプーンを用意してこそぎ落としながら混ぜた。
もしくは、おはしなどで混ぜるのがよいだろう。

きなこのような胡麻のようないい匂いが立ち上る。
若干ポタージュスープのような匂いもする。
包装をよく見ると、黒ゴマフレーバーである旨が書いてあった。

品名: 阿振麵茶 – 黒芝麻【全素】

全素はどういう意味だろうか。

ダマがなくなるまでしばらく混ぜる。

実食

粉末状態におけるきなこっぽさとは裏腹に、お湯を加えると茶色がかった色になった。
黒ゴマが効いているようだ。
かなりトロリとしていて、まさしく糊状を呈している。

 

いただく。
カップに口をつけて飲む、という感じではない。スプーンですくって食べる。
ペースト状なのだが、若干ざらりとした舌触りがある。

「あ、これは、黒ゴマポタージュかな?」

粘り気はほとんどなく、口の中でするりとほどける。
味はほんのり甘く、小麦粉と胡麻の自然な香りが広がる。

全体的に自然な薄味で、砂糖のような甘さや香料の人工的な匂いなどは全く主張してこない。
そういえば以前台湾の人からいただいた、台湾製のカップラーメンも薄味だった。(かなり唐辛子辛かったが)
聞くところによると、台湾の人にとって、日本のカップラーメンやお惣菜なんかは、ものすごく塩辛いそうだ。
私たち現代日本人は、いつの間にかそういった「インスタントにおいしさ(刺激)を感じる、どぎつい味」に慣らされているのかもしれない。

 

カップの底のほうに、溶けずに粉のままで固まったダマが残っていた。
熱湯を注いだあとは底のほうからしっかりかき混ぜよう。快速に。

 

まとめ

  • 阿振麵茶はポタージュのような食感のほんのり甘い飲み物(食べ物?)
  • 台湾の味付けは自然

麺でもお茶でもなかった。
というかそもそもパッケージをよく見ると『阿振麵茶』は『麺茶』ではなく『麵茶』である。

阿振麵茶はおみやげにもちょうどよいように思う。
個包装されているものなら配りやすいし、味も日本人にとって馴染みやすい。
それでいてパッケージや出来上がりの見た目から、異国情緒も感じられる。

「もう一度お土産として買ってきてほしいか?」と聞かれたら、
「うーん、yes」と答えるだろう。

ただ、熱湯を注いで食べるので、当然喫食中は身体が温まる。
夏のお土産には最適ではないかもしれないが、冷房で冷えた身体をいたわるにはちょうどいいだろう。
甘さが優しくさっぱりしているので、暑い日でも割りと食べやすそうな気はする。

私は台湾のこういった食べ物が好きだ。
お茶っ葉で煮た玉子とかも好ましい。

ちなみにここまで書いておいて『阿振麵茶』の読みかたがいまだに分からない。
ご存知の方は教えてください。

柴太