「おはなしの作りかた」の説明は、とにかく抽象的になりがちだ。
そこで具体的にイメージしやすい話にするためよく用いられるのが、卑近な例をとったたとえ話だろう。
以前の記事で紹介した作話本では「成長もの」を「ラーメン」にたとえている。分かりやすい。
そしてマンガの学校〈1〉短編マンガの描き方では「作話」を「タコ焼き」にたとえている。
は?タコ焼き?
非常に分かりやすかったので、以下に紹介する。
独創的な鉄板はいらなかった
作話タコ焼き説について、結論から書いていく。
以下、本文より引用
1. 設定 屋台をどこに出すのか 屋台をどこに出すのか、立地条件。人通りの多いところに店を出すと売れる可能性が高い。
2. ストーリー 鉄板 タコ焼きを焼く鉄板。タコ焼き作りの中ではメインではない。タコ焼きを焼く場所をしっかりと支える役割。
3. キャラクター タコ タコ焼きの主役であるタコ。しかし、タコは単品ではただのタコでしかない。皮(エピソード)に包まれて、はじめてタコ焼きになる。
4. エピソード タコを包む皮 タコを包む皮。タコ(キャラクター)と分けることができない存在。これが美味しくないと、タコ焼きは美味しくならない。
なるほど感のあるたとえではないだろうか。
キャラクターとエピソードの関係性、ストーリーの役割などがよく表れている。
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注目したいのは「設定」が「立地」であることだ。
どこに出すのか、というのは、この作品がどのような需要に対する供給であるのか、ということであり、
どういう読者層を当て込むか、という話でもある。
過当競争に切り込むのか、ブルーオーシャンを探すのか。
自分の得意な「タコ」と「皮」は、どこに店を出したら売れるのか。
そういうふうに私は解釈した。
さらに引用すると、
タコ焼きの話を続けると、タコ焼きを作る上で最も大事なのはタコとそれを包む皮です。鉄板は、ないとタコ焼きが焼けませんが、オリジナリティーに溢れる鉄板である必要はありません。
とのことである。
そうだよね〜。
独創的な鉄板(ストーリー)でなくても美味しいタコ焼き(キャラクター + エピソード)焼けるよね〜。
タコ(キャラクター)と皮(エピソード)が美味しかったら、
食べた人は「タコ焼き美味しかった」って感想になるよね〜。
納得感のある話ではないだろうか。
タコ焼き以外のトピック
この話題以外にも、それなりに分かりやすい説明が続く。
著者の方は専門学校講師を経てマンガ教室を主催されているそうで、
本書では教室の生徒さんの作品を実際に取り上げて解説されている。
普段目にすることの少ない「プロでない」方の作品を挙げて解説されているので、
初心者の方には特に参考になるだろう。
他にもすぐに使えそうな細かい作話ノウハウやテクニックがいくつか紹介されているので、
マンガを描いたことがある方にとってもヒントがあるはずだ。
個人的に良かったのは「構成力を高めるトレーニング」。
ただ長くなるので、こちらの紹介は別の記事に分ける。
まとめ
おいしいタコ焼き作っていきたい。
ちなみに私はタコ焼きはポン酢派です。
柴太
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