前回の記事:腰高窓の防音を考える【SPFワンバイ材による】

前回記事のまとめ

  • 窓から外の音が筒抜けなので、近所の工場の音によるストレスを感じる
  • 予算も手間もあまりかけずに防音を施したい
  • とりあえず安くて手に入りやすいSPF材で窓を塞いでみようと思いついた

先日実際に施工したので、その結果どのような効果が得られたのか書き記す。

詳しい施工内容はこの記事では省く。そのうち別記事で書くかもしれない。簡単に述べると、ガラス窓の内側を全面隙間なく覆うように厚さ約2cmのSPF板をはめ込んだ、と思っていただければよいです。

防音効果:劇的に改善はしないが、ストレスという点ではやらないより絶対マシ

まず、入ってくる音を次のように大雑把に4つに分けてみよう。

音量:大 音量:小
音域:高 高くて大きな音 高くて小さな音
音域:低 低くて大きな音 低くて小さな音

 

SPF材を並べた結果、まず高い音は少しカットされて、今まで耳に刺さっていたような音が比較的マイルドに感じられるようになった。金属同士がぶつかるような音がキンキン響かなくなった感じだ。電動でやすりがけをするような「シュイーーン」という感じの音も多少マイルドになる。

また、SPF材が無い状態では窓の外の空気感が伝わってくるレベルで環境音が入ってきていたのだが、板設置後は「少し閉ざされた室内」感が強くなった。

このことから、高くて小さな音はそこそこカットできる、高くて大きな音も少しは軽減できる、と思える。

ただし窓のすぐ向こうで話す人の声などは、完全に何を言っているのか聞き取れるレベルで入ってくる。

一方、低い音はほぼ素通りだ。排気管の中を空気が動く「ゴォォォ…」という音や、トラックが低速ギアでじりじり動くような「グォン、グォン」というような音は、大体そのまま伝わってくる。トラックのエンジン音についてはビリビリくる感じだ。

このような音はカナル型イヤホンを耳に差し込んでいても、結構聞こえてくる。

まとめると次のようになる。

音量:大 音量:小
音域:高 角が多少とれて気持ちマイルドに そこそこカット
音域:低 素通り 大体素通り

 

これは考えていた仮説にも大体合致する結果となった。

どういうことかというと、まず前提として今回立てたSPF材は遮音材か吸音材かでいうと遮音材であり、かつ比較的軽い素材なので遮音効果はそんなに高くないと踏んでいた。

そして単一素材の遮音材は高音域をカットしやすく、低音域をカットしづらい、とネット上の記事で読んだ。また遮音材は密度が高く重たい素材のほうがより音をカットできるらしく、SPF材は軽く柔らかい木材なので、密度面でも重量面でも遮音効果は高くなさそうだという予想ができた。

それでも設置しないよりは幾分マシになった。実際、板をつけたり外したりしてみると、外したときに一気に「屋外感」のする音が入ってくるので、一応フィルターにはなっているようだ。

「外せ」と言われたら「いやだ」と答える。

しかし十分ではない。

低音域対策にはアクティブノイズキャンセリングが有効ではないか

前回の記事では、窓を塞ぐというアプローチの他に、自分の耳を塞ぐというアプローチもあることに触れた。

アクティブノイズキャンセリングなら、遮音材が低音域を通しやすいという性質は関係なく外部音を低減できるのではないだろうか。

ヘッドホンはこれを買ってみた。そのうちレビューを書きたい。

また、筆者は昔ドラムセットをやっていたが(メタルバンドのコピーをしていた)、その練習時に耳を保護するために耳栓をつけることがあった。これもかなり耳に入る音を小さくできたので、試してみたい。

副次的効果:コールドドラフトが無くなった

コールドドラフトとは(wikipedia)

窓からひんやりした風が流れてきて寒かったのだが、これが無くなった。

ただし部屋には今回塞いだ窓より大きな窓が他にあるので、そこから入ってくる冷気がまだある。

それでも寒さによるストレスはかなりマシになった感じがする。

まとめ

SPF材で窓を塞ぐのは、防音という観点ではそんなに効果的ではない。

ただしきっちり塞げばやらないよりマシにはなった。(1枚でも板を外すと外部の音が流れ込んでくるので、きっちり塞ぐの大事)

次はアクティブノイズキャンセリング機能搭載のヘッドホンや、耳栓を試したい。

また、余裕があれば今回設置したSPF材と窓の間に、吸音材を施してみたい。

 

音に敏感すぎるんじゃないかと最近自分で思っている柴太